さて、本記事は小説形式でお届けしております。
まだ前回の話を読んでいない人は、ぜひこちらから読んでみてください。
前回の第九章では、しょうまともえの2人の恋模様を描いてきました。
最終章である今回の冒頭で、2人がどうなったのかに関しては言及していきます。
そして、その後は今回の物語の登場人物の中でも主要キャラだった5人のその後に関して描いていきたいと思います。
第一章からここまで文字数にしておよそ5万文字。
毎日毎日、仕事終わりの疲れた体でタイピングを繰り返してきました。
1日1日は大変な時も多かったですが、それでも今振り返ると、ブログの中で小説企画をやることに決めて、ここまで一生懸命書いてきてよかったなと心から思います。
最後まで魂込めて書いていくので、よろしくお願いします!
それでは、最終章参りましょう。
それぞれの今
もえの場合
「はい、今日の授業はここまでです。来週までには各自卒論のテーマを決めてくるように」
先生がどこか気だるそうな顔でそういうと、その日のゼミは終わった。
だんだんと暑さも和らぎ、校内に生えている木の葉も赤く色づき始めていた。
紅葉でも見に行きたいなーとふと思った。
「友達でも誘うか」1人でそう呟きながら、ゼミの部屋を出た。
エレベーターで1階まで下りて、学内を歩きながら、卒論のテーマについて考えていた。
正直まったく浮かんでこなかった。周りの友達に聞くと、少しずつ見当はつけているらしく、自分の出遅れ感に焦っていた。
そんなことを考えながら歩いていると、前を歩いている2人組の女子大生の話が耳に入ってきた。
「こないだの合コンさー、まじで男子いけてなかったよね」私も人のことを言えないかもしれないが、THEお嬢様といった装いの女の子Aがそう言っていた。
「そもそもさー。割り勘とかビビるわって感じだよね(笑)」A子はそう続けた。
その話を聞きながら、あんたに奢られるほどの価値がなかったんじゃないの?と心の中で思った。
合コン後に相手の男性のことを悪く言う時点で、このA子のレベルもたかがしれていると思った。そんな風に男性を見下して、自分の反省点を探さないままだったら、いつまでたっても彼氏できないぞ。とアドバイスしてあげたい気分だった。
でも、A子を見ていて私は1年前の自分を重ねていたんだと思う。
1年前、私は友人のかなの紹介で合コンに参加した。
その合コンではいろんなことがあった。
私も最初はA子みたいに、相手の男子を選ぶような気持ちでいた。合コン後に全男子からLINEが来たから、私はモテるんだ。選ぶ立場の人間なんだと勘違いしていた気がする。
でも、そんな風に勘違いしていたからか、私はその後痛い目にあった。
せっかくけいた君という男子とうまくいきかけていたのに、私がしゅんちゃん君に乗り換えようとして失敗したことですべてを失った。
そのときに、「あー。私は調子に乗っていたんだな」って気づいた。
私たち女子が男子を選ぶように、男子も当然私たちを選んでいる。
そんな当然のことに改めて気づかされた。
そして、素敵な男子に選ばれるためには、私自身が素敵な女性にならなければならない。
それは見た目も心もどっちもの話だ。
私がそれに気づいて1からやり直そうとしていたとき、合コンに参加していたしょうま君から遅れてデートの誘いが来た。あのときは、神様が反省をした私に与えてくれたチャンスだと思った。
だから私は真剣にしょうま君と向き合った。彼は奥手で、自分から積極的に話をするタイプではなかったけど、一緒にいてとても落ち着くと感じた。
そして1年前のクリスマスの日、しょうま君から告白してくれて私たちは付き合うことになった。
人生で初めてできた彼氏で、本当に嬉しかった。
それから私たちはたくさんデートをした。念願だった彼氏とのユニバデートも行くことができた。
水族館も動物園もイルミネーションもきれいな夜景もおいしい食べ物も、たくさんのことを共有した。
でも、私たちは付き合ってから3か月後に別れることになった。
どちらからともなく、自然な流れでそうなった。
一緒にいて楽しかったけど、細かいところで価値観の不一致が出てきた。
最初は小さな違和感だったのが、だんだん大きくなってきて、それに耐えられなくなった。
カップルは通常、男性が先に相手の女性を急激に好きになり、その女性が自分の手に入ると、徐々に女性への好き度のピークから気持ちが落ちてくることが多い。
逆に女性は、付き合ってからどんどん相手の男性を好きになっていくことが多い。
だから、男性の好き度が下がってきている頃に、女性の好き度がピークを迎え、別れてしまうというのがよくある話だ。
俗に「3か月の壁」なんて言ったりもする。
私たちの場合、この「3か月の壁」がすべての要因だったかというとそうでもなかった気がするけど、付き合うことの難しさを知ったいい経験になったと思う。
しょうま君と付き合うことができた経験を通して、私は理想のパートナー探しの奥深さを知った気がした。
世の中にはたくさんのカップルがいて、たくさんの夫婦がいる。
だから、それがすごく当たり前のようなものに思えて、いつか自分も自然に好きな人を見つけて、自然にその人と結婚するんだろうと思っていたけど、
世の中にいるカップルや夫婦の一組一組が、奇跡のようなものなんだと思った。
誰でもよければ付き合うことも結婚することも、たしかにそんなに難しくないのかもしれない。
でも、自分にとって、もっと言えばお互いにとってお互いが理想のパートナーだと思えるような人との出会いは簡単じゃないと思う。
そもそも、自分にとって理想だと思える相手に巡り合うのさえ難しい。
普通に大学に通っているだけでは、出会える異性の数はたかがしれているし、会社に入ってしまえば、きっとその幅はもっと狭くなる。
だから、私たちは、理想のパートナーを見つけるために、もっと積極的に行動しなければいけない気がする。
その積極的な行動の一環として、私はマッチングアプリを始めた。
最近話題になってきているので、その話題に乗っかって初めてみたが、想像していた以上に普通の男性が多い。
なんなら、普通どころかイケてる男性も結構いる。
イケてるっていうのは顔もそうだし、学歴や収入面をとってもそうだ。
きっと社会人になると男性も出会いがないのだろう。だから、これだけイケてる男性でもマッチングアプリをやっているんだろう。
私は将来、理想のパートナーを見つけて結婚したい。だから、まずは自分から積極的に出会いを作って、理想だと思える男性を探す。その過程で、当然たくさんの男性と関係を持つことになるので、そこで自分磨きもしっかりする。
そして、最終的に理想の男性に出会えたときには、その男性をきっとものにできるくらい素敵な女性になる。
それが私の今の人生の1つのテーマだった。
これに気づかせてくれたのは、あの合コンでの様々な出会いだ。
今思えば、かなが誘ってくれたあの合コンが私の人生の転機になったのかもしれないなと思った。
希望に満ちた私の心模様を表すかのように、空は済んだ青空だった。
たくまの場合
目の前には広大な海が広がっていた。
風もここちよい風が吹いていて、サイクリングをするには暑すぎず寒すぎず、この10月くらいが1番いい季節だ。
仕事も2年目になって少し慣れてきて、休日にはこうして外に遊びに出れるくらいの元気は出てきた。
だから、大学時代からの趣味であるロードバイクを再び始めた。
今日は海沿いをひたすら50kmくらい走って、地元では有名な海鮮丼のお店に来ていた。
いろんなメニューがあって悩んだが、名物の「生しらす丼」を注文した。
「生しらす丼」を待っている間、ふと隣に座っているカップルの会話が耳に入ってきた。
「○○と初めて出会ってからもう1年だね。早いよね」青色のワンピースに身を包んだ、清楚な雰囲気の女の子がそう言った。
「そうだなー。まさか○○に誘ってもらったあの合コンで、こんないい出会いがあるとは思わなかったよ」そう言って、程よく焼けたスポーツ系の雰囲気がある男の子が笑った。
そんな2人のカップルの話を聞いていて、俺は懐かしい気持ちになった。
ちょうど今から1年前、サークルの後輩のかなの計らいで、合コンに参加した。
その合コンで俺は1人の女の子を好きになってアタックした。
結果は惨敗だった。
今思うと反省点はいろいろあった気がする。デート当日の服装がダサかった気がするし、会話ももえちゃんを楽しませることができていなかった気がする。
でも、そこまで後悔はしていなかった。むしろ感謝しているくらいだ。
あの合コンを通して、俺は彼女を作ろうとすることをやめた。
あの合コンでもえちゃんとうまくいかなかったから卑屈になっているわけではなく、自分は自分の趣味に没頭した方が、幸せなんじゃないかと思えたからだ。
たしかに彼女ができればそれはそれで人生楽しいと思う。
でも、俺が彼女を作ろうと思ったら、きっとまだまだたくさんの努力が必要になる。
そう思ったときに、そこまでの努力をしてまで彼女がほしいと本気で思えないのだ。
もしかしたら俺は、とんでもなく間違った道を進もうとしているかもしれない。でも、彼女を作るために、せっかくの休日を消化したいとはまったく思えない。
だから、今はこうして休日に自分の趣味に没頭できる時間が幸せだ。
ただ、会社の飲み会でとかで女性の話ばかりになるのは童貞の俺には正直辛い。そのへんは、どうしても付きまとってくるから、やっぱり彼女を作るための努力をする方が正解なのかもしれない。
人生は難しい。だからこそ、1つ1つの選択肢を自分できちんと選んでこれからもやっていこうと思う。俺の人生まだまだこれからだ。
けいたの場合
久々にみんなに会える。
最近はコロナウイルスのせいでろくに外出もできず、みんなとも全然会えていなかったから、今日みんなに久しぶりに会えるのがめちゃくちゃ楽しみだった。
想像はしていたけど、社会人になると、みんなと予定を合わせるのは非常に難しくなる。
俺の場合は、まだ近距離に友達が住んでいるし、友達の方から俺を誘ってくれることが多いから助かっている。
しかし、あいつは本当に学生時代から変わっていない。いい意味で。
「よーけいた。今度いつものメンバーで山登り行かないか?コロナやばいけど、山登りならいいかなーって。気分転換にさ」
そうLINEを送ってきてくれたのは大学時代からの友人の琥珀だった。
サークルのメンバーとのかかわりも社会人2年目になってめっきり減ったけど、琥珀は今でもちょこちょここうして俺を遊びに誘ってくれる。
俺は自分から誘ってまで土日遊びたいと思わない面倒くさがりなので、琥珀がこうして誘ってくれるのは非常にありがたい。
思えば、琥珀とは不思議な縁があるように感じる。
初めて琥珀に会ったのは高校生の時だった。同じ部活に入っていて、2人ともどちらかというといじめられっ子だった。
高校生のときはお互いにそんなに話をするわけではなく、ただの部活仲間という関係で同じ大学に進学することになった。
そして、大学に進学してからも1年の間は、ほとんど連絡を取ることもなく、たまに駅で顔を合わせると近況に関して世間話をする程度の仲だった。
そんな俺たちの距離が一気に縮まったのは、琥珀の方からロードバイクについてある日突然連絡をしてきたからだった。
聞くと、琥珀はフットサルのサークルが肌に合わずに辞めて、何か真剣に打ち込むことのできるスポーツを探していた際に、たまたまロードバイクに出会ったらしい。
それで、前に会った時にロードバイクを俺がやっているという話をちらっとしたのを覚えていたらしく、俺に連絡をしてきた。
結局、琥珀は俺の紹介でサイクリングサークルに入ることになった。
サイクリングサークルはガチでロードバイクを乗るようなサークルではなかったので、琥珀は自分自ら一部のやる気のありそうなサークル部員に声をかけて、チームを作ってしまった。
俺もトライアスロン部をやりながら、ちょくちょく琥珀が作ったチームの練習に参加させてもらっていた。
そうしてロードバイクを通して、俺たちは絆を深めていった。
そんな俺と琥珀の関係だが、ロードバイクのほかにもう1つ、2人の関係を強固にしていたものがある。それが恋愛だ。
もうかれこれ3年くらい前になるが、俺は琥珀とともに合コンに参加した。
正確には琥珀は助っ人だったから、参加者と呼べるかは微妙だったけど、琥珀も1人の女性に手を出そうとしたという点では、参加者と呼んでもよかったと思う。
その合コンでは、俺も琥珀もうまくいかなかった。
2人ともプライドが高いから、等しく盛大に傷ついたと思う。
しかも、少し下に見ていたしょうまに彼女ができたから、余計むしゃくしゃする気分だった。
そんな失敗に懲りずに、俺たちはそれからも一緒にいくつかの合コンに参加した。
合コンは大体琥珀がいろんなつてを使ってセッティングしてくれていたけど、結局俺たちに彼女はできなかった。
2人とも大してモテないくせに、好みの女性のレベルは一丁前に高かったから当たり前といえば当たり前だ。
そしてそのまま俺たちは社会人になった。
ここで俺と琥珀の間に大きな差が生まれることになる。
俺は恋愛を面倒くさがってやめたけど、琥珀はやめなかった。
むしろ、あいつは大学のとき以上に気合を入れて恋愛をしていた。
正直どこからそんなエネルギーがわいてくるのか俺にはわからなかった。
週に2日しかない休みの日に、マッチングアプリで出会った顔も見たことがないはじめましての女性とデートに行き、場合によっては楽しくないのにお金を奢る。
なんなら、ドタキャンをされることも1度や2度ではなかったらしい。
それなのに、琥珀は遊び続けた。
俺からすればもはや異常だ。
何があいつをそんなに駆り立てているのか俺にはわからなかった。
だから、ある日琥珀と2人で飲んだ時、思い切って聞いてみた。
「琥珀はさ、なんでそんなに女にこだわり続けてるの?毎週毎週知らない女に会ってデートするのしんどくないの?」と。
恐る恐る俺がそう聞いたら、琥珀は1度面食らったような顔をしてから、大きく口を開いて笑いだした。
「あー。正直しんどいときもあるね(笑)休みの日に何してんだろ俺って思うこともあるよ」
「でもさ、ロードバイクのときもそうだったじゃん。俺らは絶対に勝ちたい大会があって、それに向けて努力してた。」
「努力の過程である練習はつらい日もあった。何してんだろ俺って思う日もあったよ。でも、それでも俺らは目標のために頑張ってきた。そうだろ?」
「つまりはそういうことさ。俺は絶対に理想の彼女がほしい。だから辛くても努力し続けるしかないんだ。そうしないと俺が理想だと思える彼女なんか、一生手に入らないだろ」
琥珀は笑顔でそういった。
俺はそれを聞いて、面食らったような気分になった。
俺と琥珀の決定的な差はこれなんだって。
琥珀は目標に対して妥協せずに努力をする。でも俺は、彼女がほしいという気持ちをプライドで隠し続けて努力をすることから逃げた。
たしかに、俺にとって彼女を作るということがそこまでの努力をしてまで成し遂げたいことではなかったのかもしれない。
だとすれば俺は決して間違った選択をしてきたわけではない。
そこの判断は非常に難しい。自分から逃げただけなのか?そうじゃないのか。
それは自分自身で納得して決めるしかないことだから。
俺は心のどこかで今もずっと琥珀に憧れているのかもしれなかった。
しょうまの場合
こうしてスーパーをうろうろしている時間が一番落ち着く。
大学4年生のときになんとなく先輩が入社しているからという理由で会社を選んだけど、これがもう大きな失敗だった。
配属された部署の運が悪かったというのもあるけど、毎月70時間近い残業。
仕事のできない先輩に理不尽な仕事を押し付けられるから、やりがいもへったくれもない。
残業が70時間でも、仕事にやりがいがあればまだ耐えれたかもしれない。でも、それもないと70時間の残業は本当にきつい。
家に帰ると毎日22時過ぎで、家に着いてからやることといえば、飯を食って風呂に入って寝ることだけ。
テレビを見る余裕も、SNSを触る余裕も全くなかった。
そんな生活を2年間続けていたら、3年目の春、ついに精神的におかしくなった。
急に何もやる気がおきなくなって、なにも考えられなくなった。
こういうのって不思議で、俺も自分がピンピンしていたころは、精神的にまいっているという人を見て、心のどこかでは、メンタルが弱いだけなんじゃないのかと、冷ややかな目線を浴びせてしまうこともあった。
でも、いざ自分が精神的にやられてわかった。もはやメンタルが弱いとかそういう次元の話ではない。
本当に何も考えられなくなってしまう。自分の頭が自分のものではないかのようにコントロールが効かなくなってしまうのだ。
俺は会社を少しの間休ませてもらって、療養をしたことによって、運よくその状態から復活することができたけど
精神病には本当に気を付けたほうがいい。
ちょっとでも危ないなと感じたときは、周りがどう言おうと休むべきだと思う。
俺がこんな状態になったのに復活できたのは、今同棲している彼女の存在が大きい。
今の彼女は俺にできた2人目の彼女で、かれこれ3年半くらい付き合っている。
さらにさかのぼっていくと、今の彼女とうまくやれているのは前の彼女であるもえちゃんのおかげであるともいえる。
もえちゃんとは、サークルの同期のかながセッティングしてくれた合コンで運よく出会った。
その合コンを通していろんなことが起きたけど、結果的に俺は運よくもえちゃんと付き合うことができた。
もえちゃんとは価値観の違いとかで、結局3か月程度で別れてしまったけど、俺はその3か月の間で本当に多くのことを学ばせてもらうことができた。
例えば、女性って好きな人にはこんなに甘えた姿を見せるんだ。とか
女性って日によってこんなに機嫌の良しあしがあるんだ。とか
付き合ってみてわかったことはたくさんあった。
そして何より、1度彼女ができて童貞を卒業したことによって、男としての不思議な自信がついた。
それまでは、女性と普通に話すだけで緊張したのに、もえちゃんと付き合ってからは、普通に楽しく会話ができるようになった。
なんなら、もえちゃんと別れた後、ナンパだってできるようになった。しかもそのままお持ち帰りに成功したこともあったくらいだ。
ナンパも含めて、自信のついた俺はもえちゃんと別れてから今の彼女ができるまでの1年間、たくさんの女遊びをした。
高校のときの友達にたまたまチャラいやつがいたから、そいつとよくつるんでクラブにたくさん足を運んだ。
そうやって女性と話せば話すほど、女性という生き物をいい意味でフラットに見ることができるし、どうやれば女性からモテるかも感覚的にわかってきた。
でも、そうやって遊べば遊ぶほどわかってきたことがあって、どんなに女性にモテて遊びなれてるやつでも、1人の女性と付き合った経験が浅ければ、女性に関してわからないことはたくさんあるということだ。
今の彼女との3年半を思うと、それは間違いなく事実だ。
女性にモテて遊びまくるのと、1人の彼女と長く付き合うスキルは全くの別物だ。
女性に多少モテて、遊びまくるだけでよければ、テクニック重視なことを身に着ければある程度できると思う。
けど、1人の女性を愛して、その女性に愛されるためには、テクニックなんかではどうしようもない。男としての本質的な魅力を高める必要がある。
俺はそのことに今になって気づくことができた。
俺がここまで大きな変化を遂げることができたきっかけは、さっきも言ったけど、間違いなくあの合コンのおかげだ。
もうちょっというと、琥珀があのときいろいろと教えたり背中を押してくれたおかげだ。
こういうきっかけって本当に不思議なもので、ある日突然やってくる。
俺は、自分にこういうきっかけが来てくれたことはすべて運のおかげだと思っていた。
でも、ついこないだ琥珀と2人で会ったとき、琥珀にそれを話したら
「運も実力のうちってよく言うけど、あれってちょっと言葉足らずで、その運を引き寄せることができたのも、あなたの日ごろの行いのおかげですよってことだと思うんだ」
「しょうまの場合だと、かながしょうまを合コンに誘ったこと。俺がいろいろ助けたこと。あとは、サークルの後輩の紹介で今の彼女に出会えたこと」
「全部、しょうまがそういう人づきあいをしてきたから、そうやって周りの人がしょうまを助けてくれたんだと思うぜ」
と、言っていた。
なるほどなと感服した。考え方がやはり自分の上をいっている気がした。
あいつは大学生のころから努力家だったけど、社会人になった今でも自分で起業をしようと努力を続けているらしい。
きっとそういう努力の1つ1つが今の琥珀を形作っているんだろうと思った。
「ただいまー」俺は家に着いた。
「おかえり」俺を見つけると笑顔で彼女がそう言った。
俺は今すごく幸せだ。
今となってはあの合コンは、俺の人生を変えるきっかけをくれた素敵な会だった。
琥珀の場合
タイピングの手が止まった。
あとは自分の振り返りを書いたら、この小説も終わりだ。
ここまでの道のりは長かった。
ある日突然、小説風な記事を書いたら面白いんじゃないかとひらめいて、実際にあった合コンの話を小説風に書き始めたけど
書き始めるといろいろと悩むことが多くて、今こうして最終章の最後のパートを書くまでに1か月くらいの期間がかかってしまった。
書いていく中で1番当初の予定と変わったのが、自分自身(琥珀という人物)の立ち位置だった。
当初は本当にサブキャラクターとして、実話通りに面白おかしく書いていくつもりだったけど
書き始めていくうちに、せっかく書くならただ面白いだけでなく、読者のみなさんの役にたつようなコンテンツにしたいという思いが強くなってきた。
それで、途中から「服装の5箇条」の話や「合コン中の会話ネタ」の話などの具体的なテクニックや
「失敗したら傷つくけど、行動しなければ望む結果はついてこない」などのマインドセット面の情報を意識的に盛り込むようになった。
そうすると、物語の登場キャラ上で読者のみなさんへの先生役を担えるのが琥珀しかいなかったので、当時の自分よりもずいぶんまともなキャラクターに仕上げてしまうことになってしまった(笑)
特に先ほどまでのけいたのパートに登場する自分なんか、自分で書いていて死にたくなるようなナルシストぶりに仕上がってしまった。
皆さんにいろんなことを伝える先生役として自分を使うしかなくて、琥珀があんな感じのキャラクターに仕上がってしまったことは本気で言い訳させてほしい(笑)
皆さんにはどうでもいいことだったかもしれないですけど。。
でも、自分が当初想像していたよりも、だいぶんためになるような話がこの物語の中でできたと思う。
だから、1回目はストーリーに注目しながら読んで、ためになる話の部分をあんまり覚えていないよという人がいたら、2回目はぜひ、ためになる話を探す視点で読んでほしいなと思う。
この物語に登場するテクニックや本質的なマインドセットを身に着けるだけで、大分皆さんの恋愛力が向上すると思うので。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
これで10章分に渡ったこの物語も終幕です。
物語の結論としては、結局もえちゃんと付き合うことができたのはしょうまでした。
当時を振り返りながら僕も記事を書いてきましたが、この話はやっぱり運要素が結構大きい話だったなと思います。
途中でしゅんちゃんが出てくる下りとかリアルなんですけど、けいたからすればびっくりな展開ですよね(笑)
でも、途中で言った通り、運も実力のうちだと思っていて、きっとしゅんちゃんの登場によってうまくいかなかったけいたは、何かそうなるような行動をしたからだと思うし
逆に、運を味方につけたしょうまも、運を味方につけれるような行動をしてきたからだと思います。
今回の物語を通しての感想をぜひ、皆さんからいただきたいなと思っています。
この小説風な記事が好評だったら、また小説シリーズを連載したいと思います。
もし特に感想をいただけなかったら、小説シリーズはこれでお蔵入りですかね(笑)
いづれにしても、最後まで読んでくださった皆様。本当にありがとうございました!
これからはまた普通の形式に戻って、皆さんの役に立つ記事を書いていきたいと思っていますので、今後とも私のブログに目を通していただけますと幸いです。
それでは。また別の記事でお会いしましょう!
コメントを残す