合コンで初彼女を作った友人の話を小説化しました!(第五話 女性が仕掛ける思わせぶりな罠にはまるな) 

さて、本記事は小説形式でお届けしております。

まだ前回の話を読んでいない人は、ぜひこちらから読んでみてください。

前回のお話はこちら

 

前回の話では、合コン後のもえちゃんの感想と、男子3人のそれぞれの動きや思惑に関して書いてきました。

中でも、もえちゃんの心理描写の中で書いた、合コン後の男子の動き方の話は結構参考になるので、皆さんが合コンの機会に恵まれた際は、ぜひ意識してみてください。

 

今回の5章では、前回もえちゃんとのデートを真っ先に取り付けたたくまともえのデート模様を描いていきます。

さて、みんなの恋模様はどうなっていくのか。

それでは、参りましょう!

 

第五章 初デートは最初にして最強の難関

 

見下ろすと名古屋の街が一望できた。普段働いていると、名古屋なんかオフィスばっかで面白みのない街だと思ったりしていたが、こうやって見下ろすと

ビルの光の群れが、幻想的な景色を彩っており、案外名古屋の街並みも悪くはないものだと思った。

窓の景色から目を離して、店内を見渡すと、高そうなスーツをこしらえた男女がおしゃれにカクテルなんかを飲んでいたりした。

こういう場には縁がなかったので初めてきたわけだが、なるほど。下見に来てよかったと思った。

俺は、今もえちゃんとの食事デートの場所を探している。

できるだけおしゃれでかっこいいところをと思って、名古屋にあるホテルの30階くらいの高さのバーに来てみたが、これはさすがにおしゃれを通り越して、場違いだと思った。

うむ。なかなかにして、ディナーのお店探しは難しい。

なにせ、配慮しなければいけないポイントが多い。

例えば、相手の家からの交通の便はどうか?駅からのアクセスはどうか?

他にも、店内の雰囲気はどうか?出てくるメニューはどうか?価格はどうか?

これらを総合的に見ていくと、なかなかいいお店が見つからなかった。

そんなことを考えながらエレベーターを降りていくと、エレベーターが止まった。

あれ?俺は1階を押したはずが。なぜか3階で止まっていた。すぐに1階のボタンを押しなおそうと思って、ふと前を見たら、いい感じのお店がそこには構えられていた。

「これだ。」一目見てなぞの感がピンときた俺は、すかさずお店をここに決めた。

甘い罠にはご注意を

待ち合わせはまさかの有名なホテルの入り口だった。ちょっと最初から張り切りすぎなんじゃないかしらたくまさんはと思った。

デートに誘ってくれた時もそうだったが、少々がっつき感がつよい。私は獣のにおいがする男性は苦手だ。その点、来週デートに行くけいた君はそのへんスマートだった。

とはいえ、実際に2人きりで話してみないとわからないところもあるので、今日はとりあえず来てみた。

張り切りすぎとはいえ、こんだけおいしい料理がただで食べれるならまあいいかと思った。

これだけ高そうなお店を選んだのだ。もちろん支払いはたくまさんだろうと思った。たくまさん1人だけ社会人だし。

そんなことを考えながら、待ち合わせ場所に向かうと、そこにはたくまさんがいた。

一目見てまず衝撃的だったのは、来ている服のだささだ。

「え?このお店でそれ?」と思わずつっこみたくなるようなチョイスだった。

ズボンはダボっとしたベージュのチノパンに靴はヤンキーみたいなド派手なブーツ。しかも裾をブーツイン。上は白シャツに、中学生か!とツッコミたくなるようなシルエットのダウン。

まともだったのは唯一白シャツだけだった。こんな格好の人とこのお店には入りたくないというのが正直な感想だった。

こないだ合コンで会った時の服装を覚えていないが、覚えていないということは少なくともここまでださくはなかったはずだ。これはさすがにひどい。

別におしゃれであることは望まないけど、せめて普通であってくれと思う。

黒のスキニーに白シャツにジャケットくらい着とけば、とりあえず失敗はないのに、なぜここで謎のセンスを発揮してきた!と心の中で突っ込んだ。

 

と、最悪な出だしで始まったデートは、終わってみてもやっぱり最悪だった。

粘り強くアタックあるのみ!

デートが終わってから1週間が経った。自分的な手ごたえはまあまああった。

が、もえちゃんとの次のデートの約束がなかなか決まらない。すでに何度か確認しているが、予定がまだわからないらしい。

初デートから1週間もたっているので、さすがにそろそろ予定がわかってもおかしくはない頃合いなのだが、おかしい。

そう思ってLINEの画面を見てみるが、やはりもえちゃんからの新しい通知はない。しかも既読までついている。

すでに読んであるのに返信がないということはよほど忙しいんだろう。だから、スケジュールがわからないのももしかしたら本当なのかもしれない。

大学生って、バイトとかで意外と忙しかったりするし。

「忘れているならこちらから気づかせてあげるか。」そう思って、再び俺はもえちゃんとのトーク画面を開いた。

最後の文章は、俺の「またスケジュールわかったら教えてー」という2日前のLINEだ。

それにかぶせて今度は「忙しいところごめんね。もしかしたら忘れてるかなーと思ってLINEしたよ!(笑)また時間が空いた時でいいから、連絡してー!」そう送った。

我ながら相手のことを配慮した、いい内容だと思った。これで俺の優しさをアピールしつつ、返事がほしいことも伝えることができた。うむ。完璧だ。

 

今改めてデートの内容を振り返っても、なかなかよかったと思う。点数にすると75点くらいだろうか。

デートが割かし成功だったんだなと俺が判断した理由の大きい部分が、もえちゃんが終始楽しそうに笑ってくれているように感じた点だ。

俺とのデートが楽しくなければ、あんなに笑ってくれるはずがない。

これは結構成否を見極めるうえで重要なポイントだと思っている。

あとは、もえちゃんから話題を提供してくれることが多かった。きっと、もえちゃんは俺との話を楽しんでくれたのではないかと思う。

あと極めつけは、もえちゃんは会話の途中で、「あー。今度ユニバ行きたいなー」とつぶやいた。これは絶対に誘ってくださいというアピールだと俺は受け取った。

俺が思うに、モテる男子はこういうアピールを決して見逃さない。だから俺は「いいよねユニバ、今度一緒に行こうよ!」とすかさず誘った。

そしたらなんともえちゃんが「うん。今度行きたいねー」と誘いをOKしてくれたではないか。ユニバなんか、好きでもない男と行きたいと女子が思うはずがない。

これをOKもらった俺はもうほぼ確実にもえちゃんと付き合えるとこの時感じた。

という感じで全体的にいい雰囲気のデートだったが、唯一気になったのは、途中で「この後別のお店に飲みに行かない?」と誘ったとき

「あー、今日はもう夜が遅いし、明日も朝が早いからまた今度ね」と言われたことだ。

それを誘ったときまだ時間は19時半だった。こないだの合コンが23時くらいまであったことを考えると、まだ夜そんなに遅くはないんだけな。とは少し思ったが

まあ、明日の朝がきっと相当早いんだろうとそこは納得をした。

 

そんな感じで総評すると75点という自己評価だった。

あとはもえちゃんの忙しいのが解消されて、LINEの返事が来れば俺の勝ちだ。

 

そこから待てどくらせど、もえちゃんからの返事が来ることはなかった。

先日の合コンでの脱落第一号はどうやら俺になってしまったようだ。(たくま脱落。)

勘違いしないでよね

「ごめん。私、たくまさんはいい人だと思うけど、男の人として見ることができないの、ごめんなさい。」私がLINEでたくまさんに最後に送った言葉だった。

たくまさんとのLINEを切ることができるまで1週間もかかってしまった。

本当にしつこかった。たくまさんがここまで鈍感だとは思いもしなかった。私的にはデート中もLINEも社交辞令ですよというオーラをふんだんに出したつもりだったのに、全然気づいてくれなかった。

それどころか、スケジュールがわからないという定番の口実で間接的に断っているのに、それでも気づかず誘い続けてきた。もはやストーカーの域に達するのではないかと心配になったほどだ。

 

今振り返っても、つまらないデートだった。私的には25点くらいだった。

よかったところといえば、家からお店までのアクセスがよかったことと、料理がおいしく、それをたくまさんが奢ってくれたことくらいだ。

あとはもう全部最悪だった。

まず、しょっぱなから服装がダサいことでテンションがだだ下がりした。別にめちゃくちゃおしゃれであってとは全く思わないけど、せめて普通の格好してこいよと思った。

ちなみに私たち女子は、男子を減点方式で審査していき、それで勝ち残った男子を好きになっていくのだが、服がださいのですでに-30点くらいだった。

そして、今度はいざデートに行っても会話が全然盛り上がらない。なんか途中で自分の趣味の天体の話とかしだして、必死に私が興味あるふうを装って愛想笑いをしてあげたせいで

勘違いしたのか、ずっと話し続けるから超しんどかった。-15点。

あとは、途中で何度か沈黙が訪れた時が気まずすぎて、毎回私が話題を必死に探してフォローするという作業がしんどすぎた。-15点。

そして極め付きは、私が途中の話の流れで「ユニバ行きたいなー」といったときだ。

誰も、目の前にいるあなたと行きたいといったわけではないのに、たくまさんは勝ち誇ったようにニヤニヤして「いいよねユニバ、今度一緒に行こうよ!」とすかさず誘ってきた。

しかもその後、具体的な日にちまで決めようとしてきて正直まじきもかった。

がっつき具合がすごすぎて、ますますたくまさんが嫌になった。

こんなことなら、まだ琥珀くんの方がましだ。彼はがっつき感こそすごいから苦手だが、服はおしゃれだし、話は面白い。

がっつくし、ださいし、つまらないし。最悪だった。よかったのは金払いだけだ。

 

と、たくまさんとのデートを振り返っていると、1通のLINEがきた。

「明日、予定通り18時に〇〇まちあわせで!」けいた君からだった。

けいた君はここまでのやり取りもスマートで今のところ好印象だ。たくまさんのことはもう忘れて、明日はけいた君とのデートを全力で楽しもうと気持ちを切り替えた。

 

 

はい。いかがだったでしょうか。

最後のもえちゃんの振り返り内容は結構パンチがきいていましたね(笑)もしかしたら、結構グサグサ刺さった人がいたんじゃないかなーと思います。

ちなみに、僕も今回のたくま先輩みたいに、相手の気遣いを行為だと勘違いして、しつこくLINEを送り続けた苦い思い出が何度もあります。

 

文中では結構大事なことをたくさん書いてきましたが、その中の1つに

女性は減点方式で男性を評価する。ということを書いたかと思います。

これはぜひ覚えておいてください。女性は一度自分の基準より減点されている男性をあとから再び好きになることは基本的にありません。

だから初デートでは、相手にいかにして減点を食らわず、2回目のデートにつなげるかが重要です。初デートで加点を狙いに行く人が多いですが、それはやめましょう。

あなたが加点狙いでした行動も女子からしたら減点につながる可能性もありますし、減点さえされなければ、周りのライバルが勝手に減点されて消えていきます。

これ、非常に重要な話をしたので、ぜひ覚えておいてください。

 

こればかりは経験がものをいうことも多いので、すぐには難しいかもしれませんが

相手の女子の好意レベルをただしく見極められる目を持てると、恋愛は楽に進めることが可能です。

逆に、今回のたくまみたいに、相手の好意レベルを正しくとらえられないと、自分が勝手に期待して傷つくことになりますし、場合によっては相手の女性を傷つけることにつながってしまいます。

女性とデートに行ける機会があったら、ここは必ず意識するようにしましょう。

そして、デートが終わったたびに、そのデートをしっかりと振り返るということを行うと、だんだん女性の好意を見極める正しい目が備わってきますので。

 

さて、次の第六章では、もえちゃんとけいたのデートの様子を描いていきます。

今のところは好印象のけいたですが、果たしてもえちゃんのハートを射抜くことはできるのか?

ぜひ、次も楽しみにしていただければと思います!

それでは。

 

 

 

 

 

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琥珀
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